NISAを始めたいと思っても、「まず証券会社に登録すればいいのか」「商品や毎月の金額まで最初に決める必要があるのか」と迷うことがあります。
NISAは、口座を開設するだけで投資が始まる仕組みではありません。
生活に必要なお金と投資資金を分け、利用する金融機関を選び、口座を開設したうえで、購入する商品や金額を決めて注文する必要があります。
反対にいえば、証券会社、商品、投資金額を最初からすべて同時に決める必要もありません。
順番に一つずつ確認すれば、初心者でも準備を進められます。
この記事では、NISAを始める流れを8STEPに分け、投資へ回せる金額の確認から金融機関選び、NISA口座の開設、入金、商品確認、積立設定、初回注文、開始後の見直しまで解説します。
制度そのものや投資信託の基本をすでに理解している人が、実際の口座開設と投資開始へ進める状態を目指しましょう。
NISAの始め方は8STEP|まず開始までの流れを確認する
NISAを始めるときは、最初に口座開設画面を探すのではなく、投資できる金額から順番に確認すると進めやすくなります。
全体の流れは次の8STEPです。
| STEP | 行うこと | この段階のゴール |
|---|---|---|
| STEP1 | 投資へ回せる金額を確認 | 生活に影響しない投資候補額を決める |
| STEP2 | NISAを利用する金融機関を選ぶ | 口座開設先を決める |
| STEP3 | NISA口座を申し込む | 必要な手続きを行う |
| STEP4 | 初期設定・入金方法を確認 | 安全に取引でき、買付資金を用意できる状態にする |
| STEP5 | 商品・投資枠を確認 | 何をどの枠で購入するか確認する |
| STEP6 | 購入方法・積立設定を決める | 金額や頻度を設定する |
| STEP7 | 注文内容を確認して開始 | 初回購入・積立設定を確定する |
| STEP8 | 開始後に定期的に見直す | 家計や目的に合わせて調整する |
口座を開設しただけでは、投資信託や株式などが自動的に購入されるわけではありません。
利用する商品や購入金額などを自分で確認し、注文または積立設定を行って初めて投資が始まります。
また、金融機関によって申込画面、本人確認方法、入金方法、積立設定などの具体的な操作は異なります。
この記事では、金融機関が変わっても共通しやすい手順を中心に説明します。
NISAの非課税や2つの投資枠そのものがまだ曖昧なら、先にNISAとは?で制度を確認してください。
投資信託の投資対象やコスト、リスクを説明できない場合は、投資信託とは?を確認してから商品選びへ進むと判断しやすくなります。
今の自分が8STEPのどこにいるかを確認し、終わっていない工程から進めましょう。
STEP1|生活資金と分けて投資へ回せる金額を確認する
NISAを始める前に最初に決めたいのは、証券会社ではなく「投資へ回しても生活に支障がない金額」です。
NISAには制度上の投資枠がありますが、利用できる上限と、自分が投資してよい金額は同じではありません。
家計の状況を無視して投資枠を使い切ろうとすると、急な支出が発生したときに投資商品を売却しなければならなくなる可能性があります。
売却が必要になった時点で商品価格が下がっていれば、損失が確定することもあります。
そこで、毎月の生活費、近い将来に予定している支出、緊急時に備えるお金を先に分けます。
そのうえで、当面使う予定がなく、価格が下がっても生活へ直接影響しにくい資金を投資候補として考えます。
「NISA初心者なら毎月○万円」と、全員に同じ金額を当てはめる必要はありません。
収入が同じでも、家賃、家族構成、教育費、住宅購入予定などによって投資できる金額は変わります。
まず家計から上限を決め、その範囲で無理なく始めることが基本です。
近いうちに使うお金や生活防衛資金は投資資金と分ける
貯金があるからといって、その全額をNISAへ回せるわけではありません。
日常生活に必要なお金や、近いうちに使う予定のある資金は、投資商品とは分けて考えます。
病気、失業、急な修理など、予定外の支出へ対応するためのお金も必要です。
NISAを利用して購入する投資信託や株式などには値動きがあるため、必要な時期に購入額を下回っている可能性があります。
緊急時の資金まで投資へ回さないようにしましょう。
生活費や緊急資金をどの程度残せばよいか整理できていない場合は、生活防衛資金で先に考え方を確認してください。
投資額はNISAの上限ではなく無理なく続けられる金額から決める
投資額を決めるときは、「NISAの枠をどこまで使えるか」ではなく、「家計から毎月いくらなら出しても困らないか」を基準にします。
今後まとまった支出が予定されているなら、その資金を確保してから考えます。
初めから大きな金額を設定する必要もありません。
自分が許容できる範囲から始め、収入や支出が変化したら投資額を改めて考える方法があります。
制度上の利用可能額を目標にせず、自分が継続できる金額を優先してください。
STEP2|NISAを利用する金融機関を選ぶ
投資へ回せる金額が決まったら、NISA口座を開設する金融機関を選びます。
NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で使うことはできず、一つの金融機関で利用します。
金融機関を年単位で変更することは可能ですが、変更する時期や、その年にすでに買付けをしているかなどによって条件があります。
そのため、「とりあえず知っている会社で開設する」と決めるより、自分が使いたい商品や積立方法に合っているかを確認しておく方がよいでしょう。
最低限確認したいのは、購入を検討している商品の取扱い、コスト、積立方法、入出金方法、操作性、サポートなどです。
知名度が高いという理由だけで、自分にも使いやすいとは限りません。
この記事では個別の金融機関を比較せず、選ぶ必要があるところまでを扱います。
詳しい比較基準を確認したい場合は、証券会社の選び方へ進んでください。
金融機関は「取扱商品・コスト・積立・使いやすさ」などで比較する
金融機関を比較するときは、自分が実際に利用する場面を想像します。
まず、購入を検討している投資信託や株式などを取り扱っているかを確認します。
次に、取引や商品の保有に関係する費用、利用できる積立方法や決済方法、入出金のしやすさを見ます。
スマートフォンやパソコンから利用する予定なら、自分が確認しやすい画面かどうかも判断材料になります。
困ったときの問い合わせ方法を重視する人は、サポートも確認するとよいでしょう。
比較軸そのものを詳しく整理したい場合は、証券会社の選び方で確認できます。
STEP3|選んだ金融機関でNISA口座を申し込む
金融機関を決めたら、選んだ金融機関の公式サイトや公式アプリなどからNISA口座を申し込みます。
NISA口座を新たに開設する際は、本人確認とともに氏名、生年月日、住所、マイナンバーなどの確認が必要です。
国税庁は、NISA口座開設時に金融機関へ本人確認書類を提示するなどして、氏名、生年月日、住所、マイナンバーを告知する必要があると案内しています。
すでにその金融機関へマイナンバーを告知済みの場合など、取り扱いが異なる場合もあるため、実際の手続きは金融機関の案内を確認してください。
具体的な本人確認方法や申込画面は金融機関によって異なります。
そのため、検索結果に表示された非公式なページから手続きを進めるのではなく、利用すると決めた金融機関の公式サイトや公式アプリから確認する方が安全です。
また、「申込ボタンを押した=すぐにすべての取引を開始できる」とは限りません。
申込後は、金融機関から案内される口座の状態や開設完了通知を確認してから次の工程へ進みます。
本人確認など必要な情報・書類は申込前に確認する
申込を始める前に、金融機関が案内している必要情報と本人確認方法を確認しておくと、途中で手続きを止めずに進めやすくなります。
NISA口座の開設では、本人確認とマイナンバーの告知が必要です。
ただし、提出する書類や確認方法は、利用する金融機関やすでに登録している情報によって変わる場合があります。
「この書類一つだけあれば必ず開設できる」と決めつけず、申込時点の公式案内を確認してください。
申込後はNISA口座が利用できる状態になったか確認する
申込手続きが終わったら、NISA口座が利用できる状態になっているかを確認します。
確認手続きが入る場合があるため、「申し込んだ直後から必ず買付けできる」と固定的に考えない方がよいでしょう。
必要な期間や利用開始のタイミングは金融機関によって案内が異なります。
開設完了の案内やログイン後の口座表示を確認し、NISA口座を利用できることが分かってから初期設定へ進んでください。
STEP4|口座開設後はセキュリティ設定と入金方法を確認する
NISA口座を開設できたら、すぐ商品を探し始める前に、ログインとセキュリティ設定を確認します。
金融口座には資産や個人情報が紐づくため、認証方法やログイン情報の管理は重要です。
その後、商品を購入する資金をどのように用意するか確認します。
銀行から入金する方法や、積立に利用できる決済方法などは金融機関によって異なります。
ここでも、口座開設が完了しただけでは投資は始まっていません。
安全にログインでき、買付資金を準備できる状態を作る工程だと考えてください。
ログイン・認証など金融口座のセキュリティを確認する
最初に、金融機関が提供している認証方法を確認し、利用できる強固な認証機能があれば設定します。
金融庁は証券口座への不正アクセス対策として、フィッシングに耐性のある多要素認証など、金融機関が提供する強固な認証方法の利用を呼びかけています。
パスワードを他のサービスと使い回さないことも重要です。
ログインするときは、メールやSMSに届いた不審なリンクからではなく、登録した公式ページや公式アプリなど、自分で確認できる経路からアクセスしましょう。
認証方式は金融機関によって異なるため、具体的な設定は各社の最新案内に従ってください。
買付に使う入金・決済方法を確認する
次に、投資商品の購入に使うお金をどのように口座へ用意するか確認します。
銀行振込のほか、自動入金や積立向けの決済方法などを用意している金融機関がありますが、利用できる方法は各社で異なります。
入金時の手数料や資金が反映されるタイミングも、選んだ金融機関の公式案内を確認してください。
大切なのは、便利そうな決済方法を先に選ぶことではありません。
STEP1で決めた投資可能額を超えない範囲で、管理しやすい方法を選ぶことです。
STEP5|購入する商品と利用する投資枠を確認する
口座と資金の準備ができたら、実際に購入する商品を確認します。
ここで「人気ランキング1位だから」「SNSでよく見るから」という理由だけで決めないようにします。
投資信託を購入するなら、何に投資しているのか、どの地域が対象なのか、運用方針は何か、継続的なコストはいくらか、どのようなリスクがあるかを確認します。
分配方針や、NISAのどの枠で利用できる商品なのかも見てください。
NISAでは投資枠ごとに対象商品の範囲が異なるため、購入予定の商品が利用したい枠の対象かを確認する必要があります。
つみたて投資枠と成長投資枠は同じ金融機関で利用し、どちらか一方だけを使うことも可能です。
枠を使うこと自体ではなく、「その枠で何を買うのか」を基準に考えましょう。
商品は「投資対象・コスト・リスク」を説明できるか確認する
初心者が商品を見るときは、少なくとも「何へ投資する商品か」「継続的にどのような費用がかかるか」「何が原因で値下がりする可能性があるか」を確認します。
この3点を説明できない商品を、ランキングだけを見て購入するのは避けた方がよいでしょう。
投資地域、インデックス型・アクティブ型などの運用タイプ、分配方針なども判断材料になります。
投資信託の商品情報をどう読めばよいか分からない場合は、注文する前に投資信託とは?で中身・コスト・リスクの確認方法を整理してください。
つみたて投資枠・成長投資枠は対象商品と投資方法を確認する
購入予定の商品が決まったら、どの投資枠で利用できるか確認します。
つみたて投資枠では制度上の基準を満たした一定の商品が対象になり、成長投資枠では対象範囲が異なります。
「成長投資枠」という名前だから、つみたて投資枠より高い利益が期待できるという意味ではありません。
2つの投資枠の仕組みや対象範囲そのものが曖昧な場合は、購入前にNISAとは?へ戻って制度を確認しましょう。
対象商品などは更新される可能性があるため、実際の注文時点では金融庁や利用する金融機関の最新情報を確認してください。
STEP6|購入方法を決めて積立金額・頻度を設定する
商品を確認したら、どのように購入するかを決めます。
定期的に一定のルールで買い続ける積立という方法もあれば、自分で購入するタイミングと金額を決める方法もあります。
どちらか一方が全員にとって正解というわけではありません。
初心者が積立を利用するメリットの一つは、「毎月決めた金額を購入する」など、投資を続けるルールを作りやすいことです。
一方で、積立を利用しても元本割れの可能性がなくなるわけではありません。
積立額を決めるときは、STEP1で確認した投資可能額を使います。
NISAの年間投資枠から逆算して、「枠を使い切るには毎月これだけ必要」と決める必要はありません。
積立日についても、「この日に買えば最も利益が出やすい」という日を探すのではなく、自分が資金を管理しやすい設定を考えます。
利用できる積立頻度、設定日、決済方法などは金融機関によって異なるため、実際の設定画面で確認してください。
積立は投資を継続するルールを作る方法として考える
積立は、定期的に購入する仕組みを利用することで、毎回「今日は買うべきか」と判断する負担を減らしやすい方法です。
ただし、積立そのものが損失を防いでくれるわけではありません。
購入する商品が値下がりすれば、積立を続けていても評価額が投資額を下回ることがあります。
「積立だから安全」ではなく、「投資を継続するための購入ルール」として理解してください。
積立額・頻度は家計に無理がない設定を優先する
毎月の積立額は、STEP1で決めた投資候補額を基準にします。
給与が入った直後だから多く設定する、NISAの枠が余っているから増やすという考え方ではなく、生活費と今後の支出を確保したうえで継続できるかを確認します。
収入や支出は今後変わる可能性があるため、開始時に永久に同じ金額を決める必要もありません。
積立額や頻度を変更できるか、いつから変更が反映されるかといった具体的な仕様は、利用する金融機関の最新案内を確認してください。
STEP7|注文前に商品・投資枠・金額・頻度を確認して開始する
購入内容が決まったら、注文を確定する前に一度すべて確認します。
商品名が自分の購入予定の商品と一致しているかを見ます。
次に、NISA対象の商品か、利用する投資枠は合っているかを確認します。
積立の場合は、毎回の金額、購入頻度、決済方法、積立開始予定なども確認してください。
特に金額は桁を間違えると家計に影響するため、最終画面で改めて見ます。
金融機関によって画面の名称や注文確定までの流れは異なります。
この記事の操作手順に合わせるのではなく、選んだ金融機関の公式画面と案内を優先してください。
確定後は、注文または積立設定が正しく受け付けられているかを確認します。
初回購入後は注文状況と次回の積立予定を確認する
注文を確定したら、「設定したつもり」で終わらせないようにします。
注文状態や買付状況を確認し、積立を設定した場合は次回の予定も見ます。
残高や設定内容に、自分の意図しない金額や商品が表示されていないかも確認してください。
表示名や反映のタイミングは金融機関によって異なるため、不明な点があれば公式案内を確認します。
ここまで確認できれば、NISAでの初回投資を開始する工程は完了です。
STEP8|NISA開始後は家計・投資目的・設定内容を定期的に見直す
NISAを始めた後は、毎日の値動きを必ず確認する必要はありません。
一方で、「積立設定をしたから今後は何年も一切確認しなくてよい」と考えるのも避けたいところです。
定期的に見たいのは、株価の上下だけではなく、自分の家計と投資目的です。
収入や生活費が変わっていないか、大きな支出予定が増えていないか、投資する目的や期間が変わっていないかを確認します。
そのうえで、現在の積立額が家計に無理のない範囲か、購入している商品の内容が自分の理解と合っているかを見直します。
制度のルールが変更されることもあるため、長期間利用する場合は最新の公式情報も確認しましょう。
相場が下がったという理由だけで機械的に商品を変更したり、反対に相場が上がったから急に投資額を増やしたりするのではなく、自分の目的と家計を基準に考えることが大切です。
収入や支出が変わったら積立額も見直す
開始時に決めた積立額が、将来も自分に合うとは限りません。
収入が増減したとき、住居費や教育費などの生活費が変わったとき、大きな支出が決まったときは積立額を見直すきっかけになります。
結婚や出産など家族状況が変われば、必要な現金の量も変わる可能性があります。
投資額を増やす場合も減らす場合も、「今の家計で無理がないか」というSTEP1の考え方へ戻って判断してください。
金融機関を変更したい場合は最新の変更ルールを確認する
NISAを利用する金融機関は後から変更できます。
ただし、変更する年の前年10月1日からその年の9月30日までに必要な手続きを行うことや、変更前の金融機関ですでにその年の買付けをしている場合は、その年分の金融機関変更ができないなどのルールがあります。
変更時期や保有商品の扱いも含め、実際に手続きするときは金融庁、国税庁、利用している金融機関の最新案内を確認してください。
新しい金融機関を選び直す必要がある場合は、証券会社の選び方で比較基準から確認すると整理しやすくなります。
口座開設先が未定なら次は証券会社の選び方を確認する
NISAを始める手順は、投資可能額の確認から始まり、金融機関選び、NISA口座開設、初期設定と入金、商品確認、積立設定、注文、開始後の見直しという順番です。
この流れが分かれば、証券会社、商品、投資金額を最初からすべて決める必要はありません。
まず、今の自分がどこまで準備できているかを確認してください。
NISA開始前の状態は、次のように整理できます。
| 確認項目 | 確認できた状態 |
|---|---|
| 生活費と投資資金 | 分けている |
| 生活防衛資金 | 必要な資金を確認している |
| 投資額 | 無理なく続けられる範囲を決めている |
| 投資リスク | 元本保証ではないと理解している |
| 購入候補商品 | 中身・コスト・リスクを確認できる |
| 金融機関 | 比較して選ぶ準備ができている |
ここまで確認できていて、まだNISA口座を開く金融機関が決まっていないなら、次に行うのはランキングから一社を選ぶことではありません。
自分が購入したい商品の取扱い、コスト、積立方法、入出金、操作性、サポートなど、比較する基準を決めます。
証券会社の選び方で比較軸を確認した後、具体的な候補を比較し、最終的に選んだ金融機関の公式手順からNISA口座を申し込みましょう。
NISAを始めること自体を急ぐ必要はありません。
投資に回せる金額、利用する金融機関、購入する商品の順に一つずつ確認し、自分で内容を理解した状態で最初の注文へ進むことが大切です。


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